解説する女性

国民年金の保険料は、平成16年以降毎年徐々に上がっており、平成29年4月からは毎月16,490円 となっています(参照元:日本年金機構)。

:16,900円×0.976(改定率)=16,490円(参照元:日本年金機構「保険料額の計算方法」)

この保険料アップは小泉政権の時に決まったもので、平成29年4月をもって当初定めた上限額に達した為、上昇は一旦ストップとなりました。但し、第1号被保険者に対する産前産後の保険料免除に対応する等の為に、将来的にはまた値上げされる予定ですけどね・・・。

国民年金は毎月払わないといけないので、保険料が上がると納付が辛くなりますよね。しかし、国民年金には早割制度というものがあり、利用する事で毎月50円の割引を受ける事が出来るって知っていますか?

ここでは、前納制度の1つである「早割制度」について紹介していきますね。

国民年金の早割制度とは?

年金手帳とカレンダー

国民年金の早割制度とは、前納制度の一種で、本来翌月末日に納付すべき保険料を当月末日に納付(口座振替)することにより、毎月50円の割引が受けられる制度です。口座振替で保険料を納付している場合に限り早割制度の適用を受けられます。

ちなみに、国民年金の前納割引制度(国民年金法第93条)には、以下の4種類が有ります。

  • 2年前納
  • 1年前納
  • 6ヶ月前納
  • 当月末振替(早割)

(参考:国民年金前納割引制度(口座振替 前納)について|日本年金機構

いずれも、あらかじめ定められた納付期限(当月の保険料を翌月末までに納付)よりも早く納付する事で保険料の割引が受けられるというものです。それぞれの違いは「どれだけの期間分を先に納付するか」ですね。

それによって、保険料の割引額は異なります(当然、長期分前納した方が割引額は大きいです)。

国民年金の前納制度の割引率(額)と最もお得な支払い方法

中でも「早割」は「毎月の保険料を口座振替にし、さらに当月の保険料を当月末引落しにする」事で受けられる保険料の割引制度です(国民年金法施行令第7条・8条)。

当月分を当月末に引き落とすので、「納付期限よりも1ヶ月早く保険料を納付している」事になる訳ですね。

早割制度を利用した場合の割引額

喜ぶ女性

冒頭でも書きましたが、早割制度を利用する事によって受けられる保険料の割引額は毎月50円です(参照元:日本年金機構)。

参考:毎月の割引額である50円は、年利4%で複利計算をした結果です。年平均にすると割引率は約0.33%となります。

従って、年間に換算すると600円の保険料割引が受けられる事になります。

年間600円と聞くと少ない様な感じがするかもしれないですが、そこは塵も積もれば・・・というやつですね。参考までに、40年間毎年600円の割引を受けると合計で24,000円の割引です、保険料約1.5ヶ月分といったところです。

通常の納付方法よりも1ヶ月分早く納付するだけで、毎月50円保険料が安くなるなんて、利用しない手は無いですね。口座振替にすると納付を忘れる事も無くなるので、とても便利ですよ。

ちなみに、早割は口座引落しをする事が前提の制度なので、毎月納付書が届いてすぐに現金で納付したとしても割引を受ける事は出来ません!

参考までに、現金や口座振替、クレジットカードで保険料を納付した際に受けられる割引額の一覧を載せておきますね。

まずは口座振替により納付した場合の割引額です。

納付方法1回分の保険料割引額2年分に換算した際の割引額
2年前納378,320円15,640円15,640円
1年前納193,730円4,150円8,300円
6ヶ月前納97,820円1,120円4,480円
早割16,440円50円1,200円
通常振替16,490円0円0円
(参照元:日本年金機構

続いて、現金・クレジットカードにより納付した場合の割引額は以下の通り。

納付方法1回分の保険料割引額2年分に換算した際の割引額
2年前納379,560円14,400円14,400円
1年前納194,370円3,510円7,020円
6ヶ月前納98,140円800円1,600円
通常納付16,490円0円0円
(参照元:日本年金機構

表を見ると、現金やクレジットカードの場合は早割制度の適用が無い事が分かりますね。

参考:現金やクレジットカードによる前納は従来1年分まででしたが、平成29年4月からは2年分が可能となっています。割引額は口座振替と比べると減りますが、クレジットカードのポイントが貯まるのでポイント付与率によっては得する可能性が有りますよ。(関連記事:クレジットカードで国民年金をお得に納付!

付加保険料(付加年金分)も早割制度の対象になる!?

将来受け取る年金をふやす為に、追加で付加保険料を払っている方もいるでしょう。この付加保険料についても早割制度の対象となるのでしょうか?

この点、残念ながら付加保険料は早割制度の対象外です。

以下の表を見れば分かる様に、前納する月でも付加保険料の額は400円となっていますよね。

前納する月平成29年4月〜平成30年3月までの各月
前納額400円
(参照元:国民年金法施行令第8条2項・別表第53

従って、早割制度を使ったとしても付加保険料の割引は受けられないのです!追加の保険料も安くなれば最高ですが、さすがにそこまでの優遇は受けられないという事ですね・・・。

口座振替を利用して国民年金の早割を受ける為の手続き

口座振替の申込をするには、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書」の提出が必要です(口座振替開始には書類提出後2ヶ月くらいかかります)。

申出書

必要事項を記載した上で、申出書の「⑩振替方法」の欄は「4(当月末振替(早割)」を選んで、提出しましょう。「1(翌月末振替)」を選んでしまうと、通常の口座引落し(当月分を翌月末に引落し)になるので注意が必要です。

なお、申込書記入時には以下のものを手元に置いておくとスムーズに進みますよ。

  • 年金手帳や納付書(基礎年金番号が分かればOK)
  • 預金通帳
  • 銀行届出印

窓口で申込

申込用紙の提出は年金事務所()や金融機関、郵便局で出来ますが、上の画像及びリンク先にある申込書は年金事務所でしか使用出来ません。金融機関で申込する場合は、金融機関備え付けの申込用紙を使う様にして下さいね。

:年金事務所に提出する場合は、申込用紙を上記のリンク先からプリントアウトして管轄の年金事務所郵送するのでもOKです。

また、早割制度を利用すると最初の保険料は2ヶ月分(割引の無い前月分+50円割引された当月分)引き落とされる事になるので、口座残高には注意をしておきましょうね。

なお、万が一口座振替時に残高が不足していた場合、翌月にもう一度だけ再振替(割引は無し)されます。さらに再振替の際にも残高が不足していて引落しが出来なかった場合、納付書が自宅に届くので現金で納付する事になりますよ。

申込をすると、数週間後に「国民年金保険料口座振替開始(変更)のお知らせ」と「国民年金保険料口座振替額通知書」がセットになったハガキが届きます。翌年度以降は、毎年4月下旬に「国民年金保険料口座振替額依頼書」が届くだけです。

【参考】社会保険料控除を受ける場合は口座の名義人に注意

口座引落し

口座振替により保険料の納付をする場合は注意点が有ります。

それは、引落しをする口座の名義人です。

夫が妻の保険料を納付したり親が子どもの保険料を納付したり、といった様に家族内で保険料を代わりに納付するケースはよく有りますよね。

国民年金保険料の納付額は全額社会保険料控除の対象ですが、控除が受けられるのは実際に保険料を納付した方です。

従って、保険料を支払う方の名義の預金口座から引落しをしないと社会保険料控除を受ける事が出来ません。(参照元:国税庁 タックスアンサー「社会保険料控除」のQ7)。

保険料が安くなっても、節税効果を失ってしまっては意味が無いですからね・・・。元々口座振替をしている方の保険料を代わりに納付する場合は、実際に納付する方の口座から保険料を引落しする様に申請し直すのを忘れずに!

まとめ

どうせ国民年金を払うのなら、早割制度を使って毎月50円の割引を受けた方がお得だという事が分かりましたね。初回に2ヶ月分引き落とされるという点以外は、早割をするのとしないのとで特に違いはないので、初回以外は現在と特に懐事情が変わる訳でもないです。

現在、現金で納付している方や翌月末振替をしている方は、一度早割制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。